キスから始まる方程式


「あ、おい。何か落ちたぞ?」

「え?」



やだっ、さっき慌ててチョコを鞄から取り出したから……。



「ご、ごめん……。っ!」



そう言って振り返った視線の先に映ったものを見て、思わず硬直する私。



「なんだコレ……。お守りか?」

「えっ……いや……ははは……」



お守りサイズの小さな巾着状の袋を、桐生君が不思議そうに見つめている。


家庭科が苦手な私が作っただけあって縫い目はガタガタで、間近で見れば一目で手作りとわかる代物だった。
< 127 / 535 >

この作品をシェア

pagetop