キスから始まる方程式
し、しかも私服もやばいくらいにカッコイイ!
初めて見る桐生君の私服姿に、更にドキドキと騒ぎ出す私の心臓。
細身のジーンズに黒のライダースジャケット、中は爽やかなホワイトデザインシャツという出で立ちである。
惚れた欲目を抜きにしても、まさにモデル級のかっこよさだ。
「あの、これつまらない物ですがよかったら……」
桐生君が手土産に持ってきたケーキの箱らしき物を、お母さんへ差し出す。
頬をピンク色に染めながらすっかり桐生君に見惚れていた私達親子は、ようやくその一言でハッと我に返った。
「あら~! お気遣い頂いちゃってすみません~。早速お茶淹れるから、ささっ、上がって上がって」
「あ、はい。お邪魔します」
脱いだ靴をキレイに揃え直し端に寄せる桐生君。
ひとつひとつの動作に隙がない。
「あっ、私の部屋二階だから」
「あぁ」
そう言って階段へと促す私の服の裾を、お母さんがクイクイと引っ張った。