キスから始まる方程式
「ん?なに?」
「七瀬、あんたいったいどうやってあんなイイ男落としたのよっ」
かなり興奮気味のお母さんが、小声で私に耳打ちをする。
「っ!? 私は何も!」
真っ赤になってつい大きな声を出してしまった私を、先に階段を上がっていた桐生君が不思議そうに振り返った。
「どうした?」
「あはは……なんでもないの」
「?」
頬を引きつらせながら苦笑いをする私。
「ほらほら、早く行こっ!」
「あ、あぁ」
興味津々顔のお母さんに「またあとでっ」と小声で伝え、相変わらず不思議そうな顔をしている桐生君の背中を押して二階へと上がった。