キスから始まる方程式
「その……。可愛いって……ほんと……?」
「うん……。いつも可愛いけど、今日は特別可愛い」
「っ!」
「俺のために頑張ってくれたの?」
「……うん」
真っ赤になりながらコクンと頷く私を、更に強い力で桐生君がギュッと抱きしめる。
「そっか。嬉しい」
そう言って私の顎をクイッと横に向かせる桐生君。
「んっ……!」
気が付くと、背後から私の顔を覗き込むようにして近付いてきた桐生君の唇が、私の唇に重ねられていた。
しかし次の瞬間、すぐさま離れる桐生君の唇。
……? さすがの桐生君も、やっぱりお母さんが下にいるから気にしてるのかな?
ドキドキしながらも冷静にそんなことを考えている私。
けれどやはり、当然桐生君がそんな甘っちょろい男なわけなくて……。
私のお気楽予想はわずか数秒で、物の見事に打ち砕かれた。