キスから始まる方程式


他の教室はまだ登校している生徒も少なく、廊下も静まり返っている。


それに比べ我が三年H組だけは、明らかに他のクラスとは違っていた。


教室に入る前からざわざわとした落ち着かないざわめきと、ある意味熱気にも似たようなものが廊下にまで滲み出ている。



「うっわ!うちのクラス、なんか異様だよ?」

「だね。なんか入るのちょっと怖い」



麻優と顔を見合わせながら、重い足取りで教室へと入る。


すると既に“プチイベント”は始まっていた。



「俺23番!」

「あっ、私7番だ~っ」



教室中を飛び交う生徒達の声と番号。


歓喜の声から落胆の声まで様々だ。


黒板を見ると、机の配置図と共に各席にそれぞれ番号が割り振られていた。



「まだくじ引いてない人~っ、こっちで引いて~!」



学級委員の指示のもと、次々と登校してきた生徒がくじを引いて行く。


その様子を見て、早速私と麻優も教卓の前にできている列に加わった。
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