キスから始まる方程式


「桐生君!?」

「おうっ!」

「なななな、なんで隣の席にいるの!?」



驚きのあまり、目を見開いて桐生君を凝視する私。



「なんでって……ほら」



余裕たっぷりでニヤニヤとしながら、桐生君は“30”と書かれたくじの紙を私の目の前にヒラヒラと広げて見せた。



「30……。ほんとに隣だったんだ……」

「まあな」



信じられないような偶然だが、間違いなく紙には私の隣の席である“30”の番号が記されている。



麻優とは離れちゃったけど、まさか桐生君と隣同士になれるなんて……。


私ってばもしかして、すっごく運気が上がってきたってこと!?

今宝くじとか買ったら、億万長者も夢じゃないかも!?



そんな馬鹿なことを本気で考えていた時、数人の女の子の集団から思いもよらない会話が聞こえてきた。



「あれ? 美里、くじ30番って言ってなかった?」

「えっ? うん。でもでも、冬真からめっちゃカッコイイ笑顔で『交換して』って、お願いされちゃったんだも~んっ」

「え~っ!? い~なぁ! 私もお願いされてみた~い!」
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