魔女の瞳
私は赤くなった顔を何とか鎮めようと、わざとらしく咳をする。

「なぁ、四門」

「わかってるわよっ」

私は修内太から目をそらした。

「私の落ち度で貴方の目を傷つけた訳だし…少しくらいはお願い聞いてあげないとね」

全く…大体お願いなんかされなくても、はじめからあのホムンクルスは始末するつもりだったっての。

「それなら修内太はもう少し休んでなさい。ホムンクルスも明日の夜までは行動を起こさないと思うわ。だからこっちも行動は明日の夜。いいわねっ!?」

私は修内太の鼻先に人差し指を突きつけた。

「ああ」

修内太は穏やかな笑みを浮かべる。

あ、その表情ちょっとかっこいいかも…って違う!

「有難う、四門」

「うるさいっ!」

調子が狂うったら。

私は大きな音を立ててドアを閉め、その部屋を出て行った。














< 49 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop