魔女の瞳
ふざけるな、はこっちの台詞だ。

何の武器も持たず、魔術も使えない彼に、一体何が出来るというのか。

「は…早く…逃げなさい…」

懸命に言う私に。

「逃げたら見殺しじゃないか」

強い眼差しで、修内太は言った。

「お前は俺の左目を治してくれた…自分の大切な目を移植してまで…」

その左目で、彼は私を見る。

「例え魔女でも、お前は俺の親友だ」

「……!!」

その言葉…エリスと同じ…。

そして次の瞬間。

「!!!!!」

修内太の背後に、エリスの幻影が浮かんで見えた。

…私の残された右の呪眼が、確かにそれを見たのだ。

呪眼は時として、見たくないものまで見える事がある。

例えば死者の霊。

例えば今を生きる者の前世の姿…。

「ま…まさか…修内太…貴方エリスの…生まれ変わり…?」

驚き以外の何物でもなかった。

確かにエリスと修内太は似ている部分もあった。

言動とか、人間にしては多い魔力とか…。

でもまさか、生まれ変わりだったなんて…。

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