魔女の瞳
…私はその場に座り込み、大きく長く息を吐いた。

転校早々から散々だった。

「おい、大丈夫か、四門」

修内太は私に駆け寄ろうとして。

「あれ?」

カクンと膝を曲げてその場にへたり込んでしまう。

当然だ。

さっきまでただの素人だった人間が、いきなり呪眼を発動させて魔術を行使したのだ。

まともに歩く体力など残っている訳がない。

「…どこまでも非常識な奴ね…」

私は疲れ果てた顔で笑う。

魔力持ちで、他人の為に命を懸けられて、エリスの生まれ変わりで、呪眼を数時間で適合させた、『矢』属性の持ち主。

ここまで非常識だと、呆れるのを通り越して笑ってしまう。

そして笑いながら思ったのだ。















心から笑えたのは、本当に久し振りだと。




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