星降る夜に。
普段飲むお酒以外はあまり知らない。冒険しないタイプだし、定番で済ませてしまう。


それって恋愛と同じなのかなぁ…。




「じゃあ、ロングアイランド・アイスティーにする」


「おっ、あのとき俺が飲ませたやつ」


「男に勧められて飲んじゃいけないんだよね?」



大輔さんは苦笑している。

いつかまた一緒に飲みたいと思ったから覚えていた。



「そう。度数強いからな」



私に代わって注文してくれると、彼は懐かしそうに目を細めて言った。



「別に莉子を酔わせてどうこうしようってわけじゃなかったぜ?まあ、下心がなかったとは言わないけど。キスするつもりだったし」



下心があったのは私だって同じだ。

額にキスをされてからずっと、彼に触れてほしかったし、私も触れたかった。私たちは自然の流れでそうなったと思う。



「私がしてもいいよって言わなくてもキスした?」


「した。ネックレス渡した時点でしたかったもん」



私の前にそっとグラスが置かれる。

透き通った紅茶の色をしたお酒。アルコール度数は高いのに飲みやすい。


どんなに高いお酒よりも、生涯記憶に残るのはこのお酒だ。

私たちはグラスを合わせた。


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