星降る夜に。





お酒で火照った体には、蒸し暑い空気でも涼しく感じる。


楽しい時間はあっという間に過ぎる。


私は大輔さんに手を引かれて、ネオンで彩られた街を歩いていた。



あの海と空が見たいなぁ…。空一面に輝く降ってきそうなほどの星たち。


ぼんやり考えていると立ち止まった大輔さんに気がつかなくて、背中にドンとぶつかってしまった。



「莉子、酔ってるなぁ。赤信号だから待って」


「酔ってないもん。ほんとはもっと酔いたかった」


「どうして」



普段これだけ飲んだらフラフラになるのに、今はちゃんと歩いていた感覚がある。理性が勝ってしまったらしい。


大輔さんを見上げると、苦笑しながら私の頭を撫でてくれた。私らしくないと思っているのだろう。自分でもそう思う。


私は人目もはばからず、大輔さんに抱きついた。ウエストにギュッとしがみつく。




「どうした?気分悪い?」


心配しているような声が降ってきて、大きな手が私の背中をさする。



「違うの…。もっと酔っ払ったら、もっと大輔さんと一緒にいられたのに…」



一緒にお酒を飲んだだけで終わるデートなんて嫌だよ。私はそんなに子どもじゃない。
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