星降る夜に。
やっぱりオシャレしてきたら良かったかな…。

姉には散々、制服で行くなと言われたけれど、特別な感じにしたくなくて着替えを持って来なかった。

オシャレしたら、本当は私も楽しみにしていたことが伝わってしまいそうで…。



「だって、いつもコレで通勤してるから」


「ピアス、つけて来てくれたんだな」



そう言うと大輔さんは私の耳たぶをそっと触ってきた。
ただそれだけのことなのに、私の体の中心がキュンと反応する。



「アンクレットもつけてるよ。靴下に隠れてるけど…。大輔さん、ありがとう」



大輔さんは笑顔で私の頭を撫でてくれたあと、ヘルメットを渡してくれた。


「このバイク、かっこいいね。大輔さんに合ってる」


「だろ?色々カスタムしてるから、すげー金かかってるんだよ。車にしようかと思ったんだけど、莉子を乗せたくてさ」



バイクに跨って、大輔さんの腰にしっかりとしがみついた。


空を見上げると、米粒のように小さな星がいくつか輝いていた。あの島で見た、降ってきそうなほどの星を思い出す。


今夜少しの間だけ、私は夢を見る。

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