星降る夜に。
「どちらも美人であることに変わりありませんよ。暑いですから中へどうぞ」



姉はキリッとした顔立ちで、多分誰が見ても美人な部類だ。


店内に入ると、快適な涼しさにホッとする。



由衣はこの前私も見た、店内の中央にある一際大きなショーケース、覗き込んでいた。

ダイヤモンドがたくさんついた、豪華なブライダルジュエリー。



「椅子をお持ちしましょうか?お腹、お辛くありませんか?」


「後でジュエリーの試着をさせていただくときにお願いします」




大輔さんはさり気ない気配りを忘れない人だ。エスコートも上手。
その反面、強引なところもあるけれどそこも好きだ。



だけどもう嫌われたかも知れない。


私のほうを見てくれないし、さっきも“妹さん”と言って名前を呼んでくれなかった。

再会したとき、私のことを忘れてほしいと彼に言った。それを望んでいた。

嫌われたらそれが最善だというのに、寂しくて仕方ない。



「莉子ちゃん!見えないから抱っこして」


由衣に呼ばれて我に返った。抱き上げると、夢中でジュエリーを見ている。



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