星降る夜に。
「お姉ちゃん、代わりにサインしておいて。車回してくるから」



「ちょっと、莉子…」



姉の言葉も聞かずにお店を出た。


私はこんな他人行儀な大輔さんは嫌いだ。見たくない。


だけど、忘れるというのはこういうこと。私たちは元々他人で、あの島での3日間を一緒に過ごした。
それだけのことで、今でも他人だ。
私だって大輔さんに同じような態度を取ったのだから、寂しく感じるほうがおかしい。










お店の前まで車を回してきて待っていると、しばらくして姉たちが出てきた。

大輔さんは姉のことをちゃんと見送ってくれるらしい。

姉は私を見つけると、手招きをした。車から降りたくなくて首を横に振ると、怒った顔で強く手招きをしてくる。
仕方なく車から降りて姉のところへ向かった。




「これ、カードね。莉子、ありがとう」


「後でいいじゃん…」


「吉岡さん。莉子を置いて帰りますので、夜まで帰さないでください。あ、仕事に間に合うように帰してくれたらいいんですけど。莉子、それは私が預かる」
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