ためらうよりも、早く。


言い切った直後、強い力で両肩を掴まれた。


そのまま向かい合わせにされた私は、こちらに非難する目を前に息を呑んだ。


その刹那、祐史の顔が近づいてきて、そっと唇に触れた生暖かい感覚に、思わず目を閉じるのも忘れていた。


だが、優しかったのはそれまで。角度を変えて荒々しく貪るようなキスへとすり替わり、目の前の胸を押し返して応戦した。


しかし、それも計算尽くだったのか、肩に置かれていた手があっけなく両手首を捕まえて制する。


たとえキスなんて挨拶変わりだとしても、こんな強引さを許すほど安っぽい女ではない。


今度はこちらの方が軽蔑の眼差しを向けたところ、同じく目を閉じずにいた変態男は、私の唇をその舌でペロリと舐めてきた。


突然の感覚に俄かに、びくりと背筋に走った変化を見逃すようなヤツであるわけもなく。


微かに熱の孕んだ男の視線を拒否するように睨むが、その反応すら嬉々としているので効果ゼロ。


「んっ、」

耐えきれずにくぐもった声が漏れてしまえば、逃すまいとする不埒な舌の侵入を許してしまう。


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