ためらうよりも、早く。


昔馴染みの可愛げのナイ年下が言うようになったな、と尭の成長ぶりに驚いたのも本音。


肝心の返事も聞かずにドアを開けて去るその後ろ姿を見ながら、思わず苦笑してしまった私。


それだけ全員、歳を取っているのかと気づいて、今度はなんとも複雑な気分になっていた……。



「——結婚を前提に付き合いませんか?」



あれから福岡支社へ視察メンバーや秘書と一緒に訪れるまでは、すべての予定は順調に進んでいた。


移動中の車内や機内では休む暇なく、メール返信文を作成したり、経営概況のチェックなど様々なものに追われていたが、これも日常で何ら問題はない。


女友達からは仕事漬けすぎと言われるが、大好きなアパレル業界で経営にも携われているのだから、多忙な毎日に何ら不満は感じていない。


それにいつの間にか溜まってしまった疲労やストレス解消にしても、深夜のセックス・タイムがあれば構わないもの。


相性はもちろん、存分にその時に集中させてくれる男がいるので、私的には順風満帆の生活を送っているつもりだ。



「到着早々ジョークで歓迎?――すこぶる面倒ね」

「それは奇遇だ。俺もジョークは面倒」


しかし、ガラスが割れたように日常を壊すような男が現れてしまった場合。一気にストレス濃度は増し、あっさり私を追いつめていく。


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