ためらうよりも、早く。
「もっと簡単に言ってよー。整理出来ないじゃん!」
ますます分からない、と憤慨する妹が恨めしそうに睨んでいるがスルーさせて貰おう。
御託を並べたのもそう。未だヤツの結婚を受け入れられずにいる薄汚い感情のせいだ。
「あのね。私は自由気ままに生きているけれど、その分こだわりばかり持った面倒な性格をしてるのよ。
しかもヤツとは本質が似ていて、まさに油と水みたいに決して混じり合わないの。のんもよく知ってるでしょう?
そもそも私たちって、妥協と協調する人生はまっぴらだもの。そんな性格で、今まで縁が切れずにいた方が奇跡なのよね。
……あの日、祐史から結婚するって聞いた時……、ほんの少し動揺したし、腐れ縁からの報告に寂しく感じたのも事実よ?
だけれど、これで……これでようやく、妙なものとの区切りがつけられるって思い直せたの。
祐史……ううん、これは私だけね。――振り切れなかった過去とおさらばするのは……」
「ええと、……柚ちゃんは、本当にそれで良いの?」
ついに理解不能な話を理解するのもメンドーになったのか、のんは困惑気味ながら単刀直入に尋ねてきた。