手の届かないキミと

「いいね、それ!」

「楽しそう!」

女子のあるグループからそんな声があがると、それは教室中へと広がる。


「よっしゃあ!」

「よかったな、黒岩ちゃん、楽しそうって言ったぞ!」


……よかったね、西村くんのお友だちさん。


でも、よかったねなんて私が思えたのは、ほんのわずかな時間。

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