恋のカルテ
「……あ、はい」
私の答えを聞くや否や、先生は枕に顔を埋めてわーとかあーとか言葉にならない叫び声を上げていた。
それから顔を上げると、ガバッと体をおこして私の両肩を掴む。
「なんで起こしてくれなかった」
「えと……、一応起こしましたけど、起きなかったんですよ。それにとてもお疲れのようだったので……」
「だけどありえないだろう……一生の不覚だ。男として終わってる」
ガクンとうなだれる先生は相当落ち込んでいるようだ。
まあ、確かに先生の気持ちはなんとなく理解できる。
でも、寝てしまったことは仕方ない事だと思うし、私としては、何もなくてよかった。
「私は気にしてませんから。それに誰にも言いませんから大丈夫ですよ、佐伯先生」
明るく慰めようとするけれど、先生は納得してはくれない。