恋のカルテ

「行こうか高原。今日は車で行くつもりだったから乗っていけ」

「……でも」

「大丈夫だよ。気になるなら病院の手前で降りればいいだろう」

「それなら……」

「じゃあ、行くぞ」

先生は車のキーを手に取ると、玄関へ向かった。それからエレベータに乗って地下駐車場まで降りる。

「今日も早く帰ってくるんですか?」

歩きながら訪ねると、先生は立ち止まって私をじっと見る。

「早く帰ってきて欲しい? じゃないと寂しい?」

「……いえ、そういう意味じゃなくて。私はただ、夕食の準備とか考えなきゃいけないと思ったから」

「そんなに必死で否定するなよ。すごく傷ついた」

「すみません」

素直に謝ると、先生は「うそうそ」とおどけて見せる。

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