恋のカルテ

完成した料理をダイニングテーブルに並べると、みんなで席についた。

五十嵐先生と食事をするなんて少し緊張したけれど、美味しい料理に私の緊張も解けていく。

ようやく四人での会話も弾んできたころ、突然五十嵐先生は言った。

「高原くんは佐伯に似ているな」

「私と佐伯先生がですか?」

「似ていると思うよ、君たちは。患者に対する姿勢とか、情熱とか。だから一緒にいるんだろ?」

「いえ、一緒にいるというか……今日はたまたまで」

私は大慌てで否定したのに、佐伯先生はチラリと私を見ただけ。

「最近佐伯がつれないとぼやいてる女医がいたが、そういうことか」

五十嵐先生は含み笑いをしながら、私と佐伯先生を交互に見る。

(もう、佐伯先生も何か言ってよ!)

困り果てた私を助けてくれたのは、五十嵐先生の奥様。

上手く話題を変えてくれて、それ以上の追及を免れることができた。

食後。紅茶を飲みながら、私は五十嵐先生とは山田さんについて話し合った。

セカンドオピニオンについては先生も賛成で、私がやれるだけやってみろと言ってくれた。

ただし、最終決定は山田さんと先生でする。

そう約束してすっかり冷めてしまった紅茶を飲みほすと佐伯先生と丁寧にお礼を言い、階下の部屋へと戻った。

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