恋のカルテ

 翌朝私は久しぶりにお弁当を二つ作った。

昨日の残りをアレンジしたら、ずいぶんと豪華な中身になった。でもこれは、圭人のお弁当ではない。だから圭人に見つからないように紙袋に入れて、通勤用のバックと並べて置いておいて置く。

「おはよう、加恋」

「おはよう圭人」

「顔、洗って着替えてくる」

リビングを通り過ぎようとする圭人を私は引き止める。

「あ、まって、朝ごはんは? 食べるなら準備しておくけど」

「いや、いらない」

「そう、分かった」

最近の圭人は朝食も食べない。途中でコーヒーを買って飲んで、それで済ませているのだそう。

それでも私は朝ごはんを食べるかどうか、必ず声をかけるようにしているのだけど。

「いっていきます」

「行ってらっしゃい」

スーツに着替えた圭人を見送ると、私も出勤の準備をした。

< 188 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop