恋のカルテ

「どうって……、看護師さんからはあまり良い結果じゃなかったって聞きました」

「つまりは、見てないんだろ」

図星だった。看護師さんに手渡されたのでここまで持ってきた。だから一切目を通していない。

「すみません、見ていません」

佐伯先生は私の言葉に、小さなため息を漏らす。

「あのさ、看護師の伝書鳩なら誰でもできるんだよ。まずは、自分の目で確かめろ。オレを起こすのはそれからだ。それじゃあ、オヤスミ」

すぐさま寝息を立て始める先生。

私はその場に立ったまま、握りしめていた検査データの用紙に目を通し始めた。




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