恋のカルテ

でも、今朝はあんなに早く出勤した圭人のために、美味しい夕ご飯を作ってあげたかったから。

「私は帰るからね、森くん」

言いながら机の上の資料をまとめてファイルにしまう。

すると森くんは、情けない声を上げて私に縋り付く。

「そんなぁー、見捨てないでよ、加恋様。今度食堂のAランチおごるからさ。今日の講義の内容、教えてくれないかな」

「……もう、仕方ないな。デザート付も付けてよ」

「うんうん。そんなの、お安い御用だよ」

Aランチに惹かれた訳ではないけれど、結局森くんに付き合って居残ることになってしまった。

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