恋のカルテ

帰りが遅かったことが後ろめたくて、つい言い訳めいたことを口にしてしまった。

こんなことを圭人に話してもつまらないだろうと慌てて口を噤む。

すると圭人は手にしていたフォークをお皿にガシャンと置いた。

「別に。楽しそうで何より。医者っていいよな、将来保障されてるからってお気楽で。……そいつ余程加恋を気に入ってるんだな。もしかしてもう告られた?」

うっすらと笑みを浮かべてはいたけれど、明らかに不機嫌で悪意のある言葉。

私は慌てて否定するように首を振る。

「まさか、それはないよ。私のことなんてただの同期としか思ってないもん」

森くんには恋人である圭人のことも話したし、ましてや恋愛感情を抱いてるだなんて思えない。

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