恋のカルテ
やがて椅子を引く音が聞こえたかと思うと、スリッパの音が近づいてくる。
「ごめん、加恋」
圭人の手が私の肩に触れた。
「僕がどうかしてた。仕事がうまくいかなくてイライラしてて、ただのヤキモチなのにあんなふうにいったりして」
「……ヤキモチ」
「そう。だから今のは全部忘れて。そして泣き止んで、こっちを見て」
ゆっくりと顔を上げるとそこにいたのはいつもの圭人で。
「……圭人」
ホッとした私は余計に涙が止まらなくなって、圭人を困らせてしまった。