恋のカルテ
けれど、たくさん飲んだアルコールのせいで足元はおぼつかない。
だからすぐ、伸びてきた腕に捉えられて、私はあっけなくベッドへと引き戻されてしまった。
「おい、暴れるな」
いいながら佐伯先生は、バタつく足を押さえるように私の太腿の上に跨って、両腕を引き上げた状態で手首を掴む。
これじゃもう、逃げられない。
「放してください」
「だめ、放さない。恋人にフラれた責任を取れっていったのは、お前だろう?」
「……いいましたけど」
「だから責任を取って、お前に男が出来るまでの間、オレが恋人でいてやる。分かったら素直に従えよ、加恋」
先生は私の名前呼んで、これ以上は何も言わせないとでもいうように自分の唇を押し当てる。
そこから私の中に舌を割り込ませると、頬の傷を避けながら口内を焦らすようにくすぐった。
キスってこんなに気持ちのいいものだったっけ?
もどかしいような快感の波がゆっくりと押し寄せてきて、頭の芯が痺れる。
抵抗できないのは、酔っているせいだろうか。どうすることも出来なくて、きつく目を瞑る。すると、不意に先生の唇が離れた。