恋のカルテ

 翌朝目覚めた私は、余りの気怠さに瞼を押し上げる事すら出来なかった。

できるならまだもう少しだけ眠っていたい。

そう思い、目を閉じたままで記憶の糸を辿ってみる。

私は昨日、予定外の研修に参加して帰宅した。そうしたら突然圭人に別れを切り出されてしまった。

そうだ。その時転んで怪我をして、口の中を切った。だから体のあちこちが痛いんだ。

それから圭人に家を出て行くように言われて病院へ向かった私は職員入り口で佐伯先生を見付けて……先生のマンションへ連れてこられた。

「……ということは、ここ。先生のマンション」

勢いよく起き上がると頭がズキンとする。昨日はだいぶ飲んだ。

でも、記憶を完全に失くすといったほどではなかった。

だから思い出せる。

先生が私の恋人になってやるって、そう言って、キスしたことを。

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