【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
「そんなに名前で呼んで欲しいんですか」
からかうつもりで言ったのに
「あぁ。呼んで欲しいに決まってる」
スコッチの入ったグラスからカランと溶けて滑る氷の音が小さく響いた。
私にモスコミュールが置かれ
「じゃあ喧嘩ごしじゃなくてちゃんと話をしてください」
「その前に呼べ」
あくまでも強気な今日の課長。
「健人、仲直り」
モスコミュールを課長に向ければ
「Cheers!」
スコッチの入ったグラスをカツンと合わせた。
課長の瞳は、以前のような優しい瞳で
久しぶりのその眼差しに涙が出そうになった。
何だか久しぶり過ぎて目の奥も胸の奥もツンとして痛い。