委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
衝撃の真実
 いきなり頭をガツンと殴られたような気がした。本来の俺は、ワル……!?

 俺が知ってる俺という男は、母親に従順で遊びらしい遊びはせず、暇さえあれば勉強するという、言わば品行方正な高校生だった。客観的に見れば面白みのない男、という事になると思うが。

 それなのに、本来の俺はワルなんだと真琴さんは言った。つまり、俺が思う俺とは正反対という事だ。面白みのない真面目な俺は、実は俺自身あまり好きではないのだが、ワルよりはマシだと思う。他人に迷惑を掛けないからだ。


「でもね……」


 俺が肩を落としてうなだれていると、真琴さん、いや真琴は言葉を続けた。


「本当はワルじゃないって事、わたしは知ってたよ」

「え?」


 真琴の言葉に、思わず俺は顔を上げた。ワルだと言ったそばから、ワルじゃないとか。どっちなんだよ?


「お兄ちゃんは、わざとワルぶってるんだって、わたしは知ってた。でも……あの人は解ってなかった」


 真琴はそう言うと、悔しそうに自分の下唇を噛んだ。

< 131 / 227 >

この作品をシェア

pagetop