委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「お兄ちゃんを改造するためよ。チャンス到来とばかりにね」


 真琴はサラリと凄い事を言った。さっき“チャンス”と言ったのは、そういう意味だったらしい。それにしても“改造”はちょっとばかり大げさな表現だな、とその時は思った。


「お母さんはね、過去のお兄ちゃんを抹殺しようとしたんだ」

「おいおい、それは大げさ過ぎるだろう……」


 真琴は自分が発する言葉に自ら反応し、興奮がエスカレートしているようだ。そう思った俺は、それを鎮めるかのようにニヤリと笑って見せたのだが、真琴の怒ったような顔は、ますますその険しさを増したようだった。


「いいわ。大げさじゃないって事、見せてあげるから。驚かないでね、って言うのは無理だと思うけど、心臓麻痺とか起こさないでよ」

「お、おお」


 真琴は自分の手提げ袋に手を入れ、白いカバーのついたスマホを取り出した。いったい何を俺に見せようとしているのだろう。俺が驚くような何からしいが、今日は既に十分驚いており、今更何を見せられてもこれ以上驚く事はないだろう。

 そんな事を思いながら、俺はアイスコーヒーをストローでかき混ぜ、グラスを持って口に含んだ。氷が解けて水っぽくなったそれは、ちっともうまくなかった。

< 136 / 227 >

この作品をシェア

pagetop