委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 私は、固唾を飲んで真琴さんの言葉を待った。


「わたし、実は相原悠斗の……妹なんです」


 真琴さんが発した言葉は、思いの外すんなりと私の頭に入った。野球で言えば、ど真ん中のストライクって感じ。

 その一言で、私が立てたある奇抜な仮説は、一気に現実味を帯びたと思う。その意味で、真琴さんは実に適切な言葉を言ったと思う。

 ほぼ確信していた事とは言え、実際に事実を突き付けられるとやはりショックで、私は軽い目眩を覚えた。


「玲奈さん、聞いてます?」

「え、ええ、聞いてます」

「実は相原悠斗は……」

「田村悠斗さん、ですよね?」


 今度は真琴さんが驚いたらしく、私の言葉に目を大きく見開いた。


「知ってたんですか? いつから……」

「今日です。というか、ついさっきです。この数ヶ月、彼とは同じクラスだったのに、少しも気付かなったんです。情けない事に……」

「それは仕方ないと思います。顔がまるで、別人なんですから……」


 そう、それなのよ。仮説が奇抜だと思った理由。つまり、相原君が悠斗とは思えなかった、最後の理由は……

 前に悠斗と相原君を比べた時、二人には共通点が多いけど、違う点もあって、特に年齢と顔は、決定的な違いだと思ったんだ。だから二人が同一人物だなんて、考えてもみなかった。

 ただ、年齢というか学年は、東高から中央に編入する際、3年をやり直したと考えれば理屈が通ると、ついさっきだけど気が付いた。でも、顔の違いはどう考えればよいのか。それが今でも大きな謎なのよね……

< 208 / 227 >

この作品をシェア

pagetop