委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「それにしても、素敵よね……」


 病室に戻りながら、横を歩く真琴さんがそう呟き、何の事かなと思って私は彼女に顔を向けた。


「お兄ちゃんと玲奈さん。って言うか……恋?」

「え?」

「だって、お兄ちゃんと玲奈さんが同じクラスになったのって、全くの偶然なんでしょ? お母さんにとっては大誤算だと思うけど。運命を感じちゃいますよね?」

「そ、そうですね……」


 確かにそうかも。


「その上、初めて会ったも同然なのに、また惹かれ合ったんでしょ? お互いに……」

「え、ええ」


 なんか恥ずかしいけど、真琴さんの言う通りだと思う。悠斗と私は、運命の赤い糸で結ばれているのかも。ううん、きっとそうだ。


「ああ、わたしも恋をしてみたいなあ。こんなわたしが言うのは変だけど」

「ううん、そんな事ない。真琴さんは可愛い女の子だもん、恋だって出来るよ」

「そ、そうかな」

「うん。間違いないよ」


 それからずっと先になるけど、真琴さんは実際に素敵な恋愛をする事になった。ただし、そのお相手があの阿部君だなんて、もちろんこの時の私は知る由もなかった。


 病室に戻ったけど、悠斗の姿はなかった。


「あれ? お兄ちゃん、トイレにでも行ったのかな」

 と真琴さんが言い、私もそう思ったのだけど、トイレって……


「ダメー!」


 思わず私が叫ぶと、一瞬遅れて真琴さんも「うわー!」と叫び、二人して廊下へ飛び出した。

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