委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 トイレと言えば、普通は洗面台の前に鏡があると思う。もし悠斗がそれを見れば、そこには1年前の自分とは別人のような顔が映ってるわけで……


 私たちが男性用のトイレの前に着いた時、中から“何だこれは!?”という叫び声が聞こえた。つまり、間に合わなかった。本当は、彼には事前に説明して、なるべくショックを受けないようにしてあげたかったのだけど……


 男性用ではあるけど、私たちは戸惑う事なく扉を開けた。すると、悠斗は鏡に向かい、顔を指で摘むような仕草をしていた。


「悠斗(お兄ちゃん)、やめて!」


 真琴さんと私は同時に叫び、悠斗に駆け寄り、すがりついた。


「どうなってんだよ、コレは! 特殊メイクか何かか?」

「違うよ、お兄ちゃんの顔だよ」

「真琴、お前何を言って……」

「本当なの。1年前から、悠斗はその顔になったのよ」

「玲奈まで、何わけのわからない事言ってんだよ。1年前ってなんだよ」

「説明するから、今は落ち着いて。ね?」


 私たちはなんとか悠斗をなだめ、彼を両脇から抱えるようにして病室へ戻った。そして、主に真琴さんがこの1年の事を悠斗に説明した。ただし整形の件は、顔の損傷が酷くて、仕方なかったという事にして……

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