LOVE or DIE *恋愛短編集*


まあとにかく、話してみてくれよ、と悠太の母に送り出され、彩萌は悠太の部屋へ向かった。

ドアをノックしても、返事は返ってこない。

「悠太?私、彩萌だけど―――」

しばらく待っているともぞもぞと部屋の中で動く気配がして、扉は小さく開いた。

「元気?」

彼は無言でドアを大きく開け、そのままベッドに戻っていった。
部屋着のままで、髪はぼさぼさだった。

ドアを大きく開いてくれたのは入室の許可だと判断し、中へ入る。
しっかり扉を閉めてから、ベッドに寄りかかるように腰を下ろした。

「みんな、心配してるよ」

【みんな】とは、悠太のクラスメイトや、バスケ部の仲間たちだ。
いつも一緒にいる2人は特に気に病んでいるようだった。

「ねえ―――・・・」

悠太の母から聞いた話を思い返す。
春ごろから何かが起こっていたのだ。

それは―――


「もしかして・・・【フリージア】・・・」

彩萌が呟いたその言葉に、悠太は弾かれたように飛び起きた。

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