Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~



紗月の母親が畦道に佇む俺達の元に走り寄って来た。


麦わら帽子を脱ぎ、手櫛で髪を整えて俺に頭を下げる。
「初めまして、紗月の母親の淑子です」


「初めまして、神楽坂怜です」



「紗月、いい男を捕まえて…。お義父ちゃんは山田さんのトコの稲刈り手伝ってて、携帯で呼び出すから…神楽坂さんを先に家に案内して」



「うん、怜行こうか?」


「ああ」


俺は紗月の案内で先に家に向かって歩いた。





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