Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「佑介さんと円さんにお子さんいらしゃるんですか?」


「一人息子がいる…今日も屋敷を出る時、円に『ママ、ママ』と縋って困ったよ」


「お母さんっ子なんですね」



「そりゃ、まだ…1歳半だし…」



「円お前が甘やかすから…いけないんだ…」


私は佑介さん達と子供の話題で盛り上がっていたけど、怜はグラスのスパークリングワインを飲んで黙って訊くだけ。


怜一人で、本当に子供を育てられるんだろうか?


「紗月さんは若いし、3人ぐらいは産めそうだな。怜」


「え、あ…俺は…一人でいいと思っている」


「怜は子供に可愛い紗月さんを奪われたくないんだ…」

「俺は別に…」



怜は佑介さんには形無しだった。




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