Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「少し唇を開けて下さい…お嬢様」


私は瀬川の言われるままに唇を開くと、そのまま再び、キスを落とされて口内に瀬川の舌が容赦なく入って来た。



キス未体験の私は、瀬川の激しい攻めのキスに翻弄されて呼吸が出来ず苦しくなり、意識が朦朧し始める。



「少し激し過ぎましたか・・・」



「・・・」


瀬川は余裕綽々で唇を離して、私の様子を伺って呟く。



「瀬川の馬鹿…」



「昔の可愛いお嬢様に戻りましたね…」


瀬川は嬉しそうに首を傾げて笑った。



「瀬川…私…」


「怜様が待っていますし、行きますよ。紗耶香お嬢様」


瀬川が私の手を強引に引いて行く。


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