嫌われ者に恋をしました
軽くキスをしたらすぐに離そうと思っていたのに、触れた唇の少し湿った感触をもう一度味わいたくなり、結局何度も何度もキスをしてしまった。
雪菜の唇は柔らかくて、抱き締めた体も柔らかくて、時々漏れる雪菜の声に誘われて隼人はそのまま押し倒したくなったが、今はダメだとなんとか抑えた。
唇を離した後もしばらくの間抱き締めていたが、隼人はため息をついて口を開いた。
「……あのコンビニに行くのは、昼間の忙しい時間が過ぎてからにしようか」
「……そうですね」
「これからどうする?腹減ったし、なんか食べに行く?」
その言葉を聞いて、雪菜は隼人を見上げた。
「何か作りましょうか?」
「作ってくれんの?」
「簡単な物でよければ」
「全然かまわないけど」
「えっと、じゃあ……パスタとかでもいいですか?」
「うん、いいよ。ありがとう」
雪菜は台所に立つと忙しく動き始めた。台所と言っても、ベッドが置いてあるこの部屋に、申し訳程度にくっついている小さなものだ。この部屋はいわゆるワンルーム。やっぱり狭い。
隼人は何の気なしにじっと雪菜の後姿を見ていた。手慣れた様子で料理をする雪菜は、職場で見る雪菜とはまた違った柔らかい雰囲気で、なんか妙な色っぽさを感じた。
次に抱きたいと思った時はもう抑えない、抑えたくない、と思った。