嫌われ者に恋をしました

 そんなことを考えていたらあっという間に、目の前のローテーブルに湯気の上がったパスタが出てきた。

「おいしそうだね」

 雪菜の手料理が食べられるなんて、本当はかなり嬉しかった。

「えっと、アサリとキャベツのパスタにしてみました」

「へー?ありがとう。いただきます」

 一口食べてみたら本当にうまかった。

「うん!うまーい」

 隼人がうなずきながらそう言うと、雪菜は嬉しそうににっこりと笑った。

 今、確かに笑ったな。微笑む、じゃなく笑った。俺に向かって。

 嬉しかった。どんどん心を開いてくれているのを感じる。

 隼人も雪菜に向かって笑いかけた。

「雪菜の笑った顔、本当にかわいいよ」

 雪菜はハッとした顔をした。

「俺の前ではもっとそうやって笑って」

 雪菜は少し赤くなってうなずいた。せっかく笑っていたのに、はにかんでまた少し表情を抑えてしまったのが残念だった。

 もっと笑ってほしい。もっといろんな表情が見たい。なんならゲラゲラ笑わせてみたい。
< 171 / 409 >

この作品をシェア

pagetop