嫌われ者に恋をしました

「最近の若いのにしてはできてるねえ、アンタ二十代だろ?」

「あ、いえ」

「ええ!違うのかい?兄ちゃん、わけえな」

 だから普段の格好は嫌なんだ。どうしても若く見られる。まあ別にいいけど、舐められることが多いからあまり面白くはない。

「お世話になった上にこんなことを言って本当に不躾なのですが、実は店長さんにお願いがありまして」

「なんだい?」

「昨日の防犯カメラの映像ってとっておけるんでしょうか?」

「防犯カメラ?ああ、昨日お嬢ちゃんを追っかけてきたあの男の映像ってことかい?」

「はい。証拠としてとっておけないかと思いまして」

 隼人がそう言うと雪菜はそっとシャツの端を握ってきた。どういう意味合いで握ってきたんだろう。やっぱり嫌なのかもしれない。

「どうだろうなー」

 店主は腕を組んでうーん、と唸ってから大声で「エージ!おい、エージ」と誰かを呼んだ。
< 174 / 409 >

この作品をシェア

pagetop