嫌われ者に恋をしました

 店主の大声を聞いて、お菓子の棚で陳列していた若者がのそのそとやってきた。

「なに?」

「エージ、防犯カメラの映像ってとっておけんのか?」

「防犯カメラ?んー、たぶんとっておけると思うけど……」

 この「エージ」はたぶん息子だな。あの夫婦の遺伝子を継いでいる体型をしている。

「ほら、話しただろ。昨日の子」

「ああ」

「あれ、映像を証拠にとっておけないかって」

「ふーん、できるんじゃない?」

 エージは隼人を見上げた。

「とっておけるか調べておきますよ。わかったら連絡しましょうか?」

「お願いします」

 隼人は携帯の番号を名刺の裏に書いてエージに渡した。

「じゃあ、連絡します」

「お手数をおかけして申し訳ありません」

「いいんだよ、コイツそういうのいじるの好きだからさ」

 店主はヘヘッと笑った。今度来る時は煎餅の缶じゃ済まないな。何にするか。

 隼人と雪菜はもう一度礼を言って頭を下げるとコンビニを後にした。
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