嫌われ者に恋をしました

 隼人が諦めて部屋から出ていってくれたから雪菜はほっとため息をついた。

 隼人さんがあんなにいろいろ見たがる人だとは思わなかった。

 さっきは見られてしまったんだろうか……。考えただけ顔が熱くなる。恥ずかし過ぎる。

 だいたい、明るかったのに夢中になってあんなに乱れてしまうなんて、自分でも信じられない。

 でも、私も密かに隼人さんの裸をチラ見してしまった。痩せていると思っていたのに、想像以上に筋肉質で、硬い腕に触れるたびに男らしさにドキドキした。見つめる真剣な瞳はすごく色っぽくて、眠っている顔は無防備でかわいかった。

 あんなに怖がっていたことが嘘みたい。痛いことなんて全然なかった。隼人さんはずっと優しい王子様でいてくれた。

 隼人さんに抱かれると幸せで気持ち良くて夢中になってしまう。今考えると、瀬川さんのあれって何だったんだろう。

 それに隼人さんから愛していると言われた。私が生きてきた全部、なんて。すごく嬉しくて胸が熱くなった。心の奥底まで強く抱き締められたみたいだった。隼人さんの言葉に偽りはないと思う。瀬川さんの言葉とはきっと違う。
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