嫌われ者に恋をしました

「ほら!やっぱり!彼女連れてきたでしょ!」

 隼人の母親はそう言って悠人を見た。

「さっすが、母ちゃん」

 飄々とした悠人をよそに、母親は隼人に詰め寄った。

「どんなお嬢さんなの?早く見せなさい。隼人どいて!アンタ邪魔よ!」

「あのね、そんなにガツガツされたら怖がるだろ」

「へー?」
「へ~?」

 母親と悠人は声を揃えてそう言うと生暖かい視線を隼人に向けた。

「なんだよ」

「ずいぶんとお優しいから」

「ホントホント~」

 やっぱりこの感じか。ムカムカするが懐かしい。

「こんな所で立ち話してもしょうがないだろ。中に入れてよ」

「そうね。どうぞー」

 母親に言われて中に入り玄関の扉を閉めた。雪菜はガチガチに緊張していて、無表情な頬は青ざめて見えた。

「大丈夫?雪菜」

 隼人が小声で言うと、雪菜は隼人に救いを求める瞳を向けた。

「……はい」

「本当に大丈夫だから、ねっ」

 雪菜は無表情のまま何も言わずうなずいた。こんなに緊張してしまうなんて、可哀想なことをしたと思ったが、後はもう慣れてもらうしかない。
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