嫌われ者に恋をしました

 雪菜はソファで膝を抱えていた。遅くなるかもしれないから先に寝ていいからね、なんて言われたが、先に寝るなんてとてもできない。

 まだ不慣れなこの広い家に、一人でいるのはとても寂しい。早く帰ってきてほしい。

 持ってきた荷物の片付けも終わって、ご飯もお風呂も終わって、リビングのソファで膝を抱えて身を捩っていたら、鍵の開いた音がした。

 帰ってきた!

 嬉しくてソファからぴょんと飛び降りると、玄関に駆け寄った。

「おかえりなさい」

 帰ってきた隼人は、駆け寄った雪菜を嬉しそうに抱き締めた。

「ただいま。起きてたんだ?」

「まだ、寝る時間ではありません」

「俺の帰りを待って、起きていてくれたんじゃないの?」

「……はい、待っていました」

 雪菜の言葉を聞いて、隼人はまた嬉しそうに雪菜の頭を撫でた。

 もう!ずっと待ち焦がれてたんだから!心の中で叫んで雪菜はぎゅうっとしがみ付いた。

「……寂しかったのです」

「ごめんね、一人にして」

 隼人はチュッとついばむようにキスをした。重なった唇からお酒の匂いがする。綺麗な人にどんなお酒を作ってもらったの?そんなことを考えて一人で勝手に落ち込んだ。

「とりあえず、シャワー浴びてくるよ」

 隼人は雪菜を離すと、少し疲れた顔をして微笑んだ。
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