嫌われ者に恋をしました
「なにこれ!道路、広っ!」
大通りに出て、隼人が驚いて声を出した。確かに、仙台駅から少し歩いた所にある大通りはすごく広い。でも、仙台に住んでいた時は当たり前の光景だった。
「仙台を舐めないでください」
「そして、バスの数が半端ない!」
隼人は雪菜の話も聞かず、また驚いて声をあげた。確かにこの通りを走っているバスの数は猛烈に多い。いろんな所から仙台駅にバスが集まって来るからこうなるんだけど。仙台はバスが便利なのだ。
「隼人さん、仙台を甘く見ていましたね?」
「……舐めてました」
雪菜が少し自慢げにフフーンと笑うと、自慢された隼人もなぜか嬉しそうに笑った。
アーケードの商店街を通り抜けて定禅寺通り(じょうぜんじどおり)まで出たら、そびえるような大きな街路樹が目に入ってきて、すごく懐かしくなった。
そういえば、12月に来たら光のページェントをやっていたんだった。時期がずれてしまって残念……。
住んでいた時はあまり考えなかったけれど、離れてしまうと見たくなる。
「この通りでは、12月になると街路樹にたくさん電球をつけるイルミネーションをするんです。キラキラしてすごく綺麗なんですよ。恋人たちには人気なのです」
「ふーん。……雪菜は誰と来たの?」
……それはヤキモチか何かなのかな。そんな人はいないって言ってるのに。
「ここぞとばかりにバイト三昧の日々でした。仙台七夕の時もそうですよ。バイトの募集が多いし、短期でバイト代が良かったので」
「なるほどね」
隼人は心なしか嬉しそうな横顔を見せた。
クールな課長の時には考えられないほどヤキモチ妬きの隼人さん。ヤキモチを妬いてくれるのは、やっぱり嬉しい。私のことを好きだから妬いてくれるわけだし。