好きからヤンデレ
入り混じる心
斗真side




かわいいなぁ

空実はどうしてこんなに綺麗で可愛くて

よく生きてこれたものだ。


罪そのものだよ。


可愛すぎだよ。素敵だ。


少し涙で潤う瞳も
綺麗で息ができない。



撫でる髪も
さらさらで食べてしまいたい。




ーーー俺は、何か間違ってはいないか?


可愛い空実
ずっと一緒にいよう


ーーー斗真、目を覚ませっ!







一緒に。



ーーー斗真...。おまえはおまえじゃないだろ。











心の悪魔が呼びかけた時




「斗真は私が好きだよね?」





何かがうずいた




くっ



天使と悪魔




苦しい苦しい



自分が憎たらしい。



暑い暑い
悔しい。



ニコニコと笑う目の前の彼女に俺は、



なんの感情も抱けなくなった。



プツンと何かが切れた。




好き。



それは、好き好き好きを
封印しようとしてきたじゃないか。




怒りで顔が赤く震え上がる。




「あっあぁ...くっ」



頭が混乱する




『空実さんをご存知で?』

『ぇ?』

『昔、お付き合いしていたとか』





違う違う違うっ!



野蛮な刑事め!



邪魔をするな。


そうじゃない!

俺は俺だろ。


違う。



何が何だか俺にも...




しんどい



濡れる俺の体と

燃え盛る心。



俺は空実を尻目に、
懐かしい家の中へ走って
古臭く埃が溜まったベットの中に
体ごと打ち付けた。




どうなってんだ俺は。




空実を愛おしいと思った

俺は、なんなんだ...くそっ。






「あううぁあああああああ」



プツンと途切れた意識が


俺をまた、知らない世界へ引き入れる。



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