続*俺様王子とキケンな契約!?
あたしだけが気づかないフリしてればよかったのに。
もう止められなくて。
視界がボヤけ、涙が目に浮かぶ。
泣いたらみっともないことぐらい分かってる。
神矢くんを困らせたくない。
でも、涙がボロボロと溢れ出す。
「準備できたよ。もう、待ってなんて言わない。……だから、あたしだけを見てよ……」
今、あたしが気持ちを伝えるにはこの方法しかなくて
俯きギュッと神矢くんの服を握りしめた。
すると、身体がふわっと浮いた感じがして
黙ったまんまの神矢くんはあたしを抱き上げる。
神矢くんはあたしの部屋でも自分の部屋でもなく片手で寝室のドアを開けた。
そして、大きなダブルベッドの上にあたしを降ろした。