この思いを迷宮に捧ぐ

「私など」と言う否定が、千砂の喉まで出かかっていた。

「...ありがとう」

父の死後、間違っていると感じた方向の意見や対象を排除したら女王になってしまっていただけの私には、上手く応えることができない。




ありがたいと思う。

そうやって、自分がしていることを、正しいと信じてくれる人たちがいてくれるのは。


だけど、本来の自分と、女王としての自分との乖離が大きくなればなるほど、千砂はどこかへ逃げたくなる。


女王の機嫌が悪いと、今日の議場のあちこちで囁かれていたことくらいは、千砂だって承知している。




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