この思いを迷宮に捧ぐ
「なれません」

「なぜ?」

断られても絶対めげずに食いつく黄生に、千砂は呆れつつも羨ましい気持ちになる。


「女王陛下がお困りになります」


思いも寄らない理由として自分が挙がり、千砂ははっと息を詰めた。


「殿下が先に結婚なさると、また王位を争う事態を招くかもしれません」

千砂は、彩菜が自分や国のことを考えてくれていたことに驚いた。

「千砂はいつまでも結婚しないよ。それこそ放っておけばいい」

「何をおっしゃいます。陛下は私たちの希望です。汚れた国に咲く汚れのない花なのです」

「そんなに怒らないでよ。かわいすぎる」

「なっ、」

「結婚の時期については文句があるけど、相手が僕だってところは問題ないんだね」

「も、問題だらけです!」

「嘘」

「いいえ、問題しかありません」

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